「「雲」の楽しみ方」/雲愛づる人々 | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。

ギャヴィン・プレイター=ピニー
「雲」の楽しみ方

著者は雲を眺めることが昔から好きだったのだという。なのに、現状ときたらどうだ? 気分が「晴れない」だの、「暗雲が漂う」など、雲は不当に差別されている! 何より、「雲ひとつない」晴れっぱなしの空ばかりだとしたら、その単調さに人々だって、きっと飽きがきてしまうはず…。雲は空の素晴らしいアクセント。雲があるからこそ、空の素晴らしさがあるというのに。

この現状を大いに憂いた著者は、「雲を愛でる会」なる組織を設立し、講演でその存在を発表した。さらにインターネット上でも会を立ち上げた著者は、そこで多くの同好の士と出会う。

この本は、「雲を愛でる会」会員の、「雲に関する一般向けのお薦めの本はないか?」との問いに答えて生まれた本。雲全般のガイドブックとでもいえましょうか。様々な雲の写真から、雲の分類、科学的な話から、小話(絵画、文芸、実体験)まで、雲に関することなら何でもござれ。
さあ、あなたも雲愛づる人々のお仲間になってみませんか?

目次
 はじめに
 10種雲形
 雲の分類
第1部 低い空の雲
 第1章 積雲―うららかな空にぽっかり浮かぶ「綿雲」
 第2章 積乱雲―そそり立つ怒れる王「かみなり雲」
 第3章 層雲―低くたれこめた幽玄の世界「霧雲」
 第4章 層積雲―つぎつぎと衣装を替える千変万化の「くもり雲」
第2部 中間の空の雲
 第5章 高積雲―空に勢ぞろいする「ひつじ雲」
 弟6章 高層雲―朝夕に一瞬きらめくが凡庸な「おぼろ雲」
 第7章 乱層雲―厚く空を覆って涙の滴を落とす「雨雲」
第3部 高い空の雲
 第8章 巻雲―氷の結晶がつくる繊細な天使の髪「すじ雲」
 第9章 巻積雲―魚市場で見つけた小雲のさざ波「鯖雲」
 第10章 巻層雲―高い空から光の微笑みを投げかける「うす雲」
第4部 忘れちゃいけない……
 第11章 変わり種や成層圏などの雲―地味だけど立派な雲の仲間たち
 第12章 飛行機雲―雲界一の伊達男にして問題児
 第13章 モーニング・グローリー―めったに見られない黄金の雲

 謝辞
 訳者あとがき
 原注


これ、面白かったんだけど、何せ結構なボリュームだし、どうもここのところ、頭が「物語脳」になっちゃっていたので、貸出期間の延長をしたのにも関わらず、全部はきっちり読めてません(貸出期間の前半は、それこそ、「雲ひとつない」青空続きで、頭が蕩けそうだったし。ああ、この夏の猛暑ってば!)。でも、こんな本が存在することが嬉しいなぁ、と思うような本でした。雲に対する深い愛ゆえか、多少クドいけど、筆致もユーモアもたっぷり。

さて、いっちばん印象に残ったのは、オーストラリアでもとりわけ辺鄙な場所でしか発生しないという(著者の旅は何と42時間がかり!)、層積雲に見られる「ロール雲」の特殊な形の雲、「モーニング・グローリー」について。モーニング・グローリーは、イギリスの国土と同じ1000キロもの長さに伸び、最高時速約60キロで移動するのだとか。さらに、この雲の上昇気流を利用して長時間滑空する、まるで伝説の大波を追うサーファーのような、グライダー乗りたちがいるのだって。人間ってすごいことを考え付くものだね。

Oasis
(What's The Story) Morning Glory?
oasisのかなり前のアルバム。このアルバム、好きなんです。これ、関係あるのかなぁ。ん?でも、「Morning Glory」って朝顔なの?(ああ、疑問投げっ放しー)

■「雲を愛でる会」のアドレス■
http://www.cloudappreciationsociety.org/
ギャラリー 」が綺麗です♪