「ねにもつタイプ」/夢見るように生きている | 旧・日常&読んだ本log
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- 岸本 佐知子
- 「ねにもつタイプ
」
本書は、「ちくま」の2002年3月号から2006年9月号まで、55回連載されたものから48回分を選び加筆したもの。
岸本さん、前作にあたるエッセイ集、「気になる部分
」から、確実にパワーアップされております。
「気になる部分」はあくまで現実(と妄想)のお話だったけれど、本作においてはほとんどショートショートのような創作と思えるものも含まれ、いくつかのものについては、そのまま膨らませれば、一つの物語が出来てしまいそう。この次はエッセイではなく、小説を書かれたりして、ね。
(岸本さんの脳内にいると思われる)住民たちを描いた「住民録」(”コマネチさん”、”子供”、”見知らぬおじさん”、”ミツユビナマケモノ”、”狂犬”、”一言婆”、”三つ編み”のそれぞれの紹介と特徴。あなたの頭の中には、これに類する何かが棲んでますか?)や、天気図にもし台風の「台」の代わりに「夏」があって、「夏」が上陸したらどうだろう?、と考える「夏の逆襲」など、岸本ワールドを堪能いたしました。
岸本さんの文章目当てに、「ちくま」を購入される方の気持ちも分かるわ~、の一冊でした。と、思ったら、「ちくま」は筑摩書房のPR誌なのですねえ。ってことは、無料?
こちら
を見たら、奈良美智さんの表紙がめっちゃ印象的なんですが、うーむ、本屋で見た記憶がないぞ。汗 最近、図書館ばっかりだからなぁ。山本一力さんの「八幡の湯」も気になります。
さて、岸本さんの翻訳による、ニコルソン・ベイカー「中二階」も早く読まなくっちゃ!(って、「気になる部分」を読んだ時にも、書いてたような気もするけど)