「カフェ・かもめ亭 ささやかな魔法の物語」/こんなお店があったらいいな | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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村山 早紀, 朝倉 めぐみ

ささやかな魔法の物語―カフェ・かもめ亭 (ポプラの木かげ)


カフェ・かもめ亭は、ノスタルジックな素敵な喫茶店。海辺の街、風早にあるこの店は、現・マスターである広海の曽祖父の代、七十年近くも昔から現在まで、さまざまなお客を迎え、送り出してきた…。

表通りをはずれた、一歩裏道に入った通り、石畳の道に向かって店の扉は開く。店内には緑と絵が溢れ、船に関する道具や小さな自動ピアノ、そしてこの店の象徴でもあるかもめのモビールがゆらゆらと揺れる。

Ciel Bleu 」の四季さんのところでお見かけして、いいなーと思っていた本です。あちこちでご活躍のイラストレーター朝倉めぐみさんの表紙もいいですよね。物語の雰囲気にぴったり!

 ■四季さんの記事はこちら→「ささやかな魔法の物語 カフェ・かもめ亭」村山早紀
もくじ
砂漠の花
万華鏡の庭
銀の鏡
水仙姫
グリーン先生の魔法
ねこしまさんのお話
かもめ亭奇談
あとがき


砂漠の花」~「ねこしまさんのお話」までは、お客さんや出入りの業者さん(というほど、物々しいものではないけれど)が語る不思議な話。「かもめ亭奇談」のみが、いつも聞き役に回っていた、マスターの広海自身が体験する不思議な話。

砂漠の花」の青い花の美しさ、「万華鏡の庭」で寺嶋青年の掌に残った万華鏡の青い破片など、「青」の美しさ、綺麗さが印象的でした。

不思議な話のようでいて、種を明かすと不思議ではない。けれど、やっぱり実はそこには不思議な力が働いていたかもしれない、「ねこしまさんのお話」もふんわりと優しいお話でした。お話自体は、学校に居づらくなってしまったかおるのお話なので、辛いところもあるのだけれどね。

四季さんも引用されていらっしゃいますが、あとがきにあった「明日、読みかけの本のつづきを読むために、わたしは生きていたのです」という言葉が印象的でした。明るい少女にも、やはり思春期特有の悩みはあったのかもしれないけれど、マイナー側によっていた自覚のあった、私にも覚えのある感情だなー、なんてちょっぴり苦く思うのでした。でも、大人になってこんな物語を紡ぐことが出来たり、その物語を楽しむことが出来るのだから、大人になるっていいよなぁ、としみじみ。

同じく四季さんのところで、気になった村山さんの本。
←コンビニに御稲荷さん。この取り合わせの妙よ!
村山 早紀, 名倉 靖博
コンビニたそがれ堂―街かどの魔法の時間 (ポプラの木かげ)
ポプラ社には、「ポプラの木かげ」というシリーズがあるらしく、ポプラ社のHP を見たら、このシリーズの特徴は、木かげのようなやさしさあふれる本の世界★であり、
涼しい木かげにはいって、ゆっくりとくつろぐように、本の世界であそぼう。そこでは、魔法使いが活躍し、動物たちが楽しそうにしゃべっているかもしれない・・・。
ファンタジーを中心にした創作文学。小学校中学年から楽しめるストーリーのシリーズです
」だそう。

 ←ポプラの木かげの中では、amazonの紹介文を読むと激しく平仮名が多そうだけれど、こちらのシリーズも気になるなぁ。「古道具屋さんのおしじさんが拾った洋服ダンスから黒ねこがとびだして、「ブンダバー」と名のったのです!」(ポプラ社紹介文より。…「おしじさん」って、「おじいさん」の間違い?それか、ほんとに「おしじ」さんなのか?)。古道具に黒猫という組み合わせがまた魅力的だわ。