「ケルトの木の知恵―神秘、魔法、癒し」/木から読み解くケルトの知恵 | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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Jane Gifford, 井村 君江, 倉嶋 雅人, ジェーン ギフォード

ケルトの木の知恵―神秘、魔法、癒し

東京書籍

目次
献辞
序文 ケルトの木の知恵
シラカバ Birch
ナナカマド Rowan
トネリコ Ash
ハリエニシダ Golden Gorse
ハンノキ Alder
ヤナギ Willow
サンザシ Hawthorn
ロイヤル・オーク Royal Oak
ヒース Heather
ヒイラギ Holly
ハシバミ Hazel
リンゴ Apple
ポプラ Aspen
キヅタ Entwining Ivy
エニシダ Broom
リンボク Blackthorn
ニワトコ Elder
イチイ Yew
名前のない日 Nameless Day
マツ Pine
ブナ Beech
監訳者あとがき


農耕民族であったケルト人。種まき、放牧、収穫などのために、彼らは自然の精霊を敬い恐れ、一年を8分する農事暦とも言うべき暦を使用していた。冬の始まりから、「衰えゆく半年」が始まり、夏の始まりから、「盛りゆく半年」が始まる。この円環暦の各月を、目次にあがっているような木が象徴していたのだ(目次の木は、ドルイドによる木のオガム文字に対応する)。

写真も美しい本なのだけれど、情報量もかなりのもの。図書館の貸出期間を延長したものの、残念ながら、結局全部は読めなかったな~。写真をぱらぱらめくるだけでも楽しいのだけれど、せっかくの情報だもの、ほんとは理解した方がいいのだけどね。「ケルト」についての知識が私にはあまりないし、こういう本は手元に置いておいて、何かの折に引いてみるのがいいのかもね。

木というと幹の茶色と葉っぱの緑くらい?と思っていたのだけれど、たとえばハリエニシダやエニシダの花の黄色、ヒースの濃いピンク色なども色鮮やか。また、青空の中、夕焼けの中、雪の中、霧に煙る中、すっくと立つ木が美しい。

以下、メモメモ。

■気になって、その部分だけ読み返してみたら、そういえばハリーの杖はヒイラギから、ヴォルデモートの杖はイチイから出来ていた(もちろん、中には不死鳥の尾羽根ね)。ヒイラギは犠牲の木で、イチイは復活の木、永遠の木だって。えええ!

■リンゴと言えば赤毛のアンなんだけど(白い女王!)、そういえば柳でもアンを思い出した。アンとギルバートの婚約時代、あのなっがいなっがい手紙で話が進むという恐ろしい形式の「アンの幸福」で、サマーサイド中学校校長となったアンが住まうのが、幽霊小路にある柳風荘(ウィンディーウィローズ:りゅうふうそう)。オーストラリアを除くと、世界中におよそ300種ほどが生育しているというヤナギ。柳風荘の柳はどんな柳だったのかなぁ。ずっとイメージしていたのが、シダレヤナギで何か違う??、と思っていたのだけれど、アジア原産のシダレヤナギは、英国では一代限りで子孫ができないそうな。カナダにおいても、きっと状況はおんなじだよね。本書に載せられているヤナギは、シダレヤナギとは全然違って、上へ上へと伸びているのだ。

■ヒースだけではなく、ツタからもエール(ビールの一種)が作られるそうな。これは今でもオックスフォード大学のトリニティ・カレッジで作られているとのこと。その理由は、同じオックスフォード大学のベイリオル・カレッジの学生たちに、自分のところの学生が殺されたことを忘れないためなのだって。まったく英国人ってやつは!!! (「ふり返らない少女-英国21人の幽霊たち 」、「心は孤独な数学者 」)