「ゆき」/雪の日 | 旧・日常&読んだ本log

旧・日常&読んだ本log

流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

以降の更新は、http://tsuna11.blog70.fc2.com/で。

ユリ シュルヴィッツ, Uri Shulevitz, さくま ゆみこ
ゆき
あすなろ書房


男の子は告げる。

「雪がふってきたよ」

でも、街ゆく大人たち、着飾った夫人や、帽子をかぶった男性は、「でも、すぐに止むわ」、「すぐに溶けるよ」と男の子を相手にしない。

それでも、男の子は言う。

「雪がふってきたよ」

テレビもラジオも、「雪は止むでしょう」と言うけれど、雪はテレビだって見ないし、ラジオだって聞かないのだ。

「雪がふってきたよ」

雪は止まずに降り続き、街を一面の雪景色に変える。

雪が降る前の寒そうなグレーな感じ、街の景色、何と言われても嬉しそうに「雪がふってきたよ」といい続ける男の子と、男の子と連れ立って歩く犬がいい感じ。

さて、今期、私の住む町では雪が降っておりません。皆さんの住む町では、雪が降ったのでしょうか。子供の頃、雪は何となく心浮き立つものであったけれど、大人になった今となっては、「出かける用事がない」ことが、雪を楽しむ絶対条件となってしまいました。なかなかこの男の子のようにはいきません。

 ← こちらも気になります
ユリー・シュルヴィッツ, 瀬田 貞二
よあけ