「きのう何食べた?1」/食べること、大事にしてますか? | 旧・日常&読んだ本log

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流れ去る記憶を食い止める。

2005年3月10日~2008年3月23日まで。

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よしなが ふみ
きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)

仕事帰りに立ち寄った本屋で、むらむらと買いたくなってしまい、珍しく購入したものです。ブログを見れば丸分かりかと思いますが、私のここ数年の読書は図書館中心。お陰さまで、ハードカバーなんかはバンバン読めるのですが、どうしても弱くなるのが漫画方面(世の中には漫画が置いてある図書館も多いようですが、我が図書館にはほとんど置いてないのですー)。

漫画は嵩張るのとコストパフォーマンスが悪いので、漫画文庫以外はここ数年、ほとんど手を出していなかったのですが、これはネットなどでの評判も良かったし、えいやと購入。

結果、良かったですー。料理漫画としても、十分に読むことが出来るし、レシピがざっくり描いてあることを考えると、レシピ本としてもいけるというわけで、コストパフォーマンスも丸。

中心となるのは、弁護士の筧史郎(シロさん・43歳)、美容師の矢吹賢二(ケンジ・41歳)のゲイの同棲カップルの食生活。

二人暮しの料理を担当する筧史郎は、背は高いし、ハンサムだし、料理は出来るし、弁護士だし…、と一見、かなりの好条件に見えるのに、彼がゲイだと知らない同僚からも、「普通の男が、43歳にして、あの若さと美貌だなんて気持ち悪い」などと言われてしまう。ある程度の年を重ねると、あまりに美貌の男というのは、胡散臭いものなのでしょうか。大手の渉外事務所で死ぬほど働かされるよりも、そこそこの収入で人間らしい暮らしを望む彼。料理の様子も、仕事帰りに寄るスーパーの雰囲気や、スーツを脱ぎながら下ごしらえするところなど、現実の臨場感たっぷり。確かにこれだったら、一度に何品も作り上げることが出来るよなぁ、と納得できる手際の良さ。
一話完結のお話の最後には、よしながふみさんによる、その料理の別アレンジの仕方が載っているのも良し。

そうだなぁ、そうやってやれば出来ると分かっていても、自分はついつい手を抜くし、品数も多くは作れないんだけれど! 何品も一気に作り上げて、心の中で秘かにガッツポーズをとる勢いの達成感を得ているシロさんが可愛いです。そういう日々の達成感って大事かも。そうして二人で一緒に食べることが、また「しあわせ」なわけで(ケンジがまた幸せそうに食べるんだ)。調理法としては、一気に作るだけあって、出汁を取るとかそういう面倒なことは言わず、茹でて合えたり、だしの素や、めんつゆが登場するのも特徴でしょう。身近でそんなに値の張らないものをうまーく使いこなしています。この中で、やってみたいと思ったのが、鮭とごぼうの炊き込みごはん。ちょっと生臭くないかな?と思ったんだけど、ごぼうの香りと塩鮭を使うことで、そうはならないのかなー。

お堅いシロさんと和やかケンジの二人もいいし、周囲の人々もいいですよ。シロさんのお母さんはちょっと大変だけれど。息子がゲイであることを知って、ゲイである息子を受け入れなきゃ!!、ってなってるところが、困ったお母さんなのです…。
スイカを縁に知り合った、ご近所の主婦・佳代子さんのレシピは、これからも楽しみ♪
ケンジの勤める美容院のお話で出てきた「爆弾」の話も面白かったなぁ。私も時々、何も考えず、タートルネック着て美容院行っちゃうんですが、んぎゃー、これも時として爆弾の一員と認定されてしまうのですね…(というか、その先を読んでないところが、「爆弾」たる所以…)。

続巻も楽しみです。これは揃えよっと。
大奥」も読みたくなっちゃいました。漫画喫茶にでも行ってこようかな~。